全員営業のポイント 103話『 全員営業の営業組織が見据えるもの』

103営業組織が見据えるもの

昭和時代の経営は、売上中心でした。損益分岐点を
越せば、あとは売上が上がるほど良しとされ、特に
バブル数年前~平成元年前後は、日本全体が正に
イケイケドンドン状態だったといってよいでしょう。

世の中がインフレで、多数の業種が生まれ、市場も
人口も時系列で増加していたため、過大な借入や
余計な本業以外の投資をしなければ、一理ある方策
だったともいえます。

その後、バブル崩壊~リーマンショックを得て、
売上の確保だけでは、銀行借入もままならず、市場
の変化などを実感した企業は、利益重視の経営に舵
をきりました。

経営状況のてこいれをする際、ほとんどの企業は、
経費削減や不採算事業の整理から手をつけようと
します。自社だけで完結し、即座に効果が出る
が目でも数字でもはっきりと判るからです。

しかし、その後の展開が、できる営業組織と残念な
営業組織では違ってきます。

 

売上アップによる利益創出は、理屈としては青天井
ですが、経費削減系による利益創出は、限界がある
からです。

いや削減した余剰分は、来年以降も運転資金として
見込めるという理屈もあるでしょうが、毎年、新しく
目に見える利益創出が産み出される訳ではありません。

いわば皿の上にのっているケーキが小さくなり、
使える皿のスペースが多少は大きくなっただけで、
皿やケーキそのものが大きくなっているのではなく、
経営全体で捉えると一過性の施策です。

ゆえに、利益や資金を増やし続けるには、不採算
事業の整理や経費削減が一段落した後は、やはり
売上を上げていかないと、未来の成長はありません。

利益が先で売上が後ではなく、売上こそが利益の
源泉だからです。

 

ここで、できる営業組織の多くは、戦略を練って、
目標を設定し、施策を考えて行います。その結果
として、売上があがります。

しかし、残念な営業組織の多くは、戦略を後回しに
して、目標だけ設定し、邁進します。その結果、
たまたま売上があがる場合もあったりします。

両者の結果として、売上があがったことに違いは
ありません。しかし、売上数字など単なる記号です。

前者には再現性があり、状況が変わらなければ翌年
も売上が同等以上に上がる公算があります。仮に、
翌年不振になっても、どこの何が問題かを早期に
探ることができ、また新たな手が打てます。

しかし、後者は単に現象が生じただけなので、来年
も同じ業績になるかは未知数です。もし仮に、翌年
不振になったとしても、何が問題かすら判りません。

経営や営業において、事業計画と売上アップだけが
存在しても、戦略性(≒確固とした方策)がないことには
翌年以降の業績の再現は確保できていないのです。

それが証拠に、仮に売上が昨年より上がっていても、
なぜ上がったのかを把握できていない経営者の胸の奥
の不安は一向に消えることがありません。

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