全員営業のポイント 第77話『 経営者にとっての平時と乱世 』

141007経営者にとっての平時と乱世

昨日の台風は、月曜日と通勤時間が
重なったこともあり、週のはじめ
から出張や営業の予定が、ためいき
まじりになった方もいらっしゃるの
ではないでしょうか?

営業担当者であれば、まだ、さもあ
りなんと言えるかもしれませんが、
管理職以上であれば、ハッキリ言って
ビジネス対応としては失格です。

台風は、ある意味、会社経営や営業
現場で発生する問題に似ています。

台風は、ある日いきなり目の前に
出現したりしません。赤道付近で
発生し、1週間ほどかけて沖縄~
九州~本州へと向かってきます。

今回の台風も、100%の正確さは
ムリでも、その動きも大きさも予測
可能だったはずです。

金曜日に、営業や出張の予定を変更
する。あるいは、万一のことを考え
一本メールをいれておくなど…。

まったく何もせず、月曜日になって
飛行機も新幹線も運休したのを知っ
てから右往左往したのだとしたら、
回避か対処できたトラブルに、自ら
落ちいったとさえ言えるのです。

 

会社や営業組織におこる問題も同じで
す。90%以上の問題は、ある日いき
なり発生したりしません。過去の事情
が積み重なってこらえきれなくなった
り、予兆があったのにそれに気付かな
かったというものばかりです。

ここ2~3年、依然として中小企業が
直面する経営環境は厳しい状態が続い
ていますが、それでも、アベノミクス
などの影響もあり、小康状態か売上が
上向きという会社は増えています。

ひょっとすると、こんな風に思う時
はありませんか?

『なんだかんだ言って、来年の会社も
 同じような状況じゃないか?』

記憶から薄れかけているかもしれませ
んが、日本中の会社が、債権関連では
何らかの影響をうけたリーマンショッ
クがあったのは、ついほんの数年前の
2008年でした。

あの時に、どんなことがありましたか?
どんな影響を受けましたか?
いま同様のことが起こったら備えは?

台風の風雨に打たれたり、出張途中で
新幹線が止まったときに、どうにかし
たいと思うのは誰でもできます。

しかし、仮にそのような痛みが伴った
ことでも、のど元を過ぎると、不思議
と対応しなくなるものです。そして、
次もまた同じような問題に直面します。

その傾向は、個人よりも組織の方が強く
なります。個人のことよりも、労力が
かかり、責任もあいまいだからです。

まして、イザ備えようとしても、通常の
落ち着いた状態では、周囲は危機感が
薄れているので、対応への物事が進ま
ないことさえあります。

それほど、治において乱に備えるのは、
内外ともに難しいことなのです。

 

しかし、経営者だけは、ムリヤリにで
も先々どんな経営のリスクがあるかを
意識する時間をとる必要があります。

そして、思っているより、ほんの少し
だけ早く、その備えにとりかかってお
くということです。経営者が何度も言
うなら仕方ないかということで、会社
がようやくのこと動こうとするからです。

私が以前働いていた銀行は、「晴れの
日お客に傘を貸し、雨の日には取り上
げる」と、言われることがあります。

それにちなんで言えば、経営者は、
「晴れの日に折り畳み傘をカバンに
入れ、雨の日にパッと広げる」ことが
できる状態にしておくことが大切です。

長儲けしている会社の経営者は、
良い意味で、意外なほど臆病なところ
も持ち合わせているものなのです。
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