◆全員営業のポイント 第222話『売上が計画通りに上がる会社の特徴』

「お客さん次第ですから、計画通りに売上はあがらないんです」

弊社セミナーに参加された経営者からあった質問です。

特に、受注産業や店舗型ビジネスの場合、経営者は必ず、この命題に一度はぶち当たります。そして、何割かの経営者は、計画を立ててもどうせ意味ないからと、毎年出たとこ勝負の会社経営になっていきます。

 

この質問(反論)への私の答えは、シンプルです。

『立てた計画通りに進もうが進むまいが、会社が存続するのに必要な売上は確保しないといけない』

なぜなら、売上の確保は予定通りに進まずとも、固定費の支出は必ず予定通りに発生するからです。

ゆえに、経営や営業の計画は、最初は発生する必要経費をもとに逆算思考で立てる方が、「よし、やってやろう」というワクワク感は一切生じなくとも、経営者と社員はその計画に実感値を持ちやすく、経営の意思決定も下手をうちにくくなるメリットがあります。

 

一方、前年の売上をもとに、今年は〇%アップを目指す足し算思考は、どうでしょうか?

そもそも、冒頭の「お客さん次第ですから、計画通りに売上はあがらないんです」と言っている会社であれば、前年を根拠に経営を考えること事態、論理が破たんしています。

 

しかし、このテーマにおいて重要なのは、逆算思考であれ、足し算思考であれ、あるいは、計画を立てようが立てまいが、自分の会社の売上が上がるかどうかは、現実を突き詰めるとお客様次第にならざるを得ないということです。

じゃぁ、どっちでも意味ないじゃないか、と言えそうですが、決してそうではありません。

必要経費(根拠≒逆算思考)から発想するか、前年売上(不確実≒足し算思考)で発想するかは、経営者にとって、その重要度と切迫感が違うからです。これは、営業部門や現場にも影響します。前者の必要経費(根拠)をもとにした計画や目標は、社員の給料と生活にも直結するからです。

とはいえ、ここで「会社の固定費と経費を払わないといけないから売上あげろ!」とやるのは、あまりに無粋です。この点をどう考え・表現し、経営計画と社内通知に盛り込むかが、経営者のセンスと腕の見せ所となります。

 

現場の営業数字もそうです。

毎週末に、営業マンに「今週の売上はいくら上がった」と確認するだけなら簡単ですが、その報告を聞いて現場に任せるだけだと、蓋を開ければ月末に売上が足りなくなりがちです。

「今週の売上結果をもとに、月末目標から逆算して、翌週の動きを確認」し、現場の営業力を判断して不足するのであれば、時には経営者自身も介入してこそ、営業現場やお客様の都合で発生してくる計画とのズレを調整できるのです。

また、営業活動においても、訪問直前にちゃんと資料はそろっているかと上司が言っているようでは遅いのです。会社にとって重要なプレゼン案件であれば、資料の修正や確認を含めたスケジュールを立てておくことが必要です。

 

今、盛り上がっているオリンピックを参考に、本日のまとめを言えば、オリンピックの選手たちは、毎日一生懸命練習することで、メダルに届いていると思われますか?

彼・彼女らは、今から4年前に、今日の競技日から逆算して、計画を立てて練習を日々行ってきているのです。

営業計画や経営目標も同じです。毎日一生懸命に現場でがんばるだけでは、最高の結果は手にいれられません。時には、物事の発想そのものを点検することも必要かもしれないのです。

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