全員営業のポイント! 第33話 『営業の施策で悩んだ時の秘訣』

131125営業の施策で悩んだ時の秘訣しっかりと経営戦略や営業の原理原則を身につけた
経営者であれば、営業の打つべき手が自然と見えて
きますが、それでも、新しい施策に手をつける時には、
やるかやらないかで迷うことが出てくるものです。

そんな時に、良い特効薬があります・・・。
それは、試しに素早く小さな範囲でやってみることです。

当り前じゃないかと思われるかもしれませんが
意思決定の際、上手くいくことにこだわりすぎると、
動きが鈍くなってしまいます。

そうなると、たいした理由もなく、もう少し様子を
見ようという結論になったりしかねません。

 

過去、役員会議に参加するレベルで約100社。実務面の
マネジャーとのプロジェクトや研修等のレベルでいえば、
約500社近くを直接見聞きしてきましたが、短期間で業績
が上がる会社には、ある共通点がありました。

それは、経営者の意思決定と、営業現場で試すスピードが
圧倒的に素早いということです。

極論で言えば、新しい施策の成功確率は、業績があがって
いる会社と、業績が不振な会社との間に、大きな違いは
ないかもしれません。

しかし、行動量とスピード感がまったく違うために、前者が
1年のうちに10~20~30と新しいことを行うのに対し、
後者は1年のうち1~2やるのが精一杯だったりします。

そのため、成功確率はそれほど違わなくとも、営業の新しい
施策で、これなら上手くいくという勝ちパターンを見出せる
確率が圧倒的に違ってくるのです。

 

しかし、一つの勝ちパターンを見つけて確立することが、
プロ野球チームの優勝に大きく影響することがあるように、
会社全体の営業数字も随分違ってきます。

そして、一つの勝ちパターンの裏に、数多くの失敗や検証が
あるため、営業組織と営業スタッフには、様々な経験や現場
の応用力が、副次的に身に付くことすらあります。

何かある度に、単にうまくいく答えだけ探そうとする企業や、
他社のやっていることを真似るだけの企業では、決して得られ
ない貴重な知見です。

今年、他界された、プロ野球で9年連続日本一という永遠の
金字塔を打ち立てた川上哲治監督は、次の言葉を残されて
います・・・『一打一生 これほどの努力を人は運という』と。

傍目には次々と新しい手法を見つけているような会社も
内実は、その数倍~数十倍の新しいことを試しているだけ
だったりします。

 

しかし、そうはいっても、上手くいくかどうかが、わからない
段階で、会社の経営資源や営業全体を向ける訳にはいき
ません。また、既存のお客様との関係性や営業スタッフの
感情などを考慮する必要も出てくることでしょう。

そのため、支障がない小さな範囲で素早く試して、これは
上手くいきそうだと当たりをつけてから全体に広げる手順は
新しい営業の施策を取り入れる際に、最も効果的かつ
現場にも受け入れられやすい手法といえるのです。