全員営業のポイント 132話
正念場における会社経営

151209正念場における会社経営

 

業績が堅調な会社と、業績が厳しい会社では、
全員営業という言葉は同じでも、方策と対応が、
丸っきり違ってきます。

例えば、顧客満足の前に社員満足が大事とか、
社員こそ人財ですという、意見があります。

平常時であれば、そうでしょう。

しかし、このままの状態があと1年続けば、
どうにもならないという状態の会社と社長に、
そんな奇麗事を言っても、鼻で笑われます。

この状態から抜け出すために、何をすればいいんだ
という方策を、ノドから手が出るほど求めているからです。

かつて、こんな会社がありました。

もうじき期末だが、今のままでは赤字決算で、
銀行との関係上、非常にまずいことになる・・・

 

そんな非常時には、多少の波風や人間関係の調整を
度外視しても、危機を乗り切らないといけません。

ゆえに、急ピッチで全ての社員を営業戦力化しました。

どんなことをやったか?、値下げ?

ただでさえ契約と売上が厳しいのに、値下げしよう
ものなら、いくら新規をとらないといけなくなるか。

歩合かインセンティブ?

運転資金も厳しいのに、さらにお金が出る算段を
するなど愚の骨頂です。

では、どうしたか?

馬人参(うまにんじん)を現場に与えました。

やっぱり金じゃないかと思われたかもしれませんが、
ここでいう馬人参は、そういう類ではありません。

「こうすれば、今より営業がやりやすくなりますよ」
「営業部門以外でも、営業の手助けはできますよ」
「会社が本当に厳しいから、皆で多少の無理はしませんか」
ということを、全ての社員が理解できる工夫や施策です。

 

経営者によっては、社内で仲の良い同士の飲み会
では、会社や上司の愚痴ばかり言ってる社員ですら、
社外の赤の他人から、同じことを言われると腹を
立てるということを知る由もありません。

大半の社員は、自分の成績にも関係あるし、現状を
なんとかしたい気持ちはあるが、どうしたらいいか、
皆目わからないので身動きがとれないか、仕方なく
今までと同じ行動を繰り返しているだけなのです。

ゆえに、現場が動きやすくなる馬人参を与えれば、
新たな方向に動きだします。

 

一方、間抜けな会社は、普段から叱咤激励を繰り
返している上に、非常時になっても一向に、上層部
から方針や施策が出ず、一層叱咤激励が強くなります。

そうなると、普段から、現場は心身ともにエネルギー
が磨り減っているので、正念場を乗り越える前段階で
枯渇し、抜け殻のようになってしまいます。

“間抜け”の語源は、馬鹿や阿呆ということではなく、
大事な時機を逸するということにあります。

もし、経営の施策が、叱咤激励のワンパターンで
あったり、そこまでする必要もないのに、普段から
必要以上にやみくもに厳しすぎると、本当に大事な
正念場の時、間抜けなことになるかもしれないのです。

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